犬ターネット

Dream Theater「AWAKE」

2026-06-12 日記

高校生の頃、Dream Theater の「AWAKE」というCDアルバムを買った。

前作の「Images and Words」はとんでもない名作で、友達にダビングしてもらったカセットを、テープが伸びるまで何度も聴き返した。結局、もう1本ダビングしてもらった。

だから今度発売される「AWAKE」もとんでもない作品に違いない。絶対に手に入れたい。そう思った俺は、つくば市にある本屋(※フロアの一部にCD売り場がある)に行き、備え付けの予約カードに「アーティスト名 Dream Theater / 作品名 AWAKE」と書き、自分の名前と家の電話番号も記入して、店員に渡した。

店員は「ドリーム、、、シアター、、、?ですね、、、承りました」と、いまいちピンと来ていない様子。伝わってるかな、マニアックすぎたかな、、、店員の態度も相まって、ちゃんと入荷されるかとても不安だった。

発売日当日。学校帰りに本屋に立ち寄り、店員に尋ねると、レジ後方の予約棚から「AWAKE」を取り出してきた!入荷してるじゃん!すごい!

この日のために昼食代をケチって貯めた3000円で支払いを済ませ、自宅まで 10km の道のりを自転車でかっ飛ばし、帰宅後すぐにCDをラジカセにセットして再生ボタンをON。

1曲目のイントロのドラム超かっこいい!うおお!、、、お?、、、ん?、、、あれ、、なんか、、、

最後まで聴き終わったときのあの消化不良感は未だに忘れられない。 前作のキャッチ―さは息をひそめ、ボーカルは無駄にガナり、7弦ギターによる低音リフばかり、演奏は巧いけれど、暗くて重い、、、 なんだこれ?、、、

うーん、、、でも、どうにか捻出した3000円を、予約までして買った念願のCDを、1回聴いてハイサヨナラでドブに捨てたくないし、それは流石に悔しい。 だから、意地になって毎日無理やり聴くことにした。

すると不思議なもので、あんなに暗く重いと思っていた楽曲の端々に、いくつも光るポイントがあることに気付いた。 このフレーズは後半の伏線じゃん、このタイミングで1回だけ入るスプラッシュかっこいい、実は高速6連ミュート弾きかよスゲエ、曲の後半で走ってるぞマイクポートノイ(※ドリームシアターの超絶ドラマー。機械のような正確さが売り)、などなど。

気がつけば、自分の中で Dream Theater といえば「AWAKE」になっていた。 もちろん「Images and Words」も大好きなんだけど、人生で聴いた回数は「AWAKE」のほうが遥かに多いと思う。

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こういった、散々見聞きするうちに少しずつ良い感情が生まれてくる現象を「ザイアンス効果(単純接触効果)」と呼ぶらしい。ちゃんと定義があるのね。

単純接触効果 - Wikipedia

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そんな原体験を思い出し、最近はあまり手広く音楽を掘らず、月に3~4枚のアルバムを繰り返し聴くことが多くなった。

Apple Music や Spotify を開くと、毎日のようにニューリリースが飛び込んできて、もちろんその恩恵にあずかっているし超便利なんだけど、 音楽を単に数として消費していくのって、YouTubeのショート動画をスクロールしているのと似ていて、その瞬間はいいけれど、全く記憶に残らなかったりする。 一聴しただけではわからない面白いアプローチをスルーしてしまうこともあるかもしれないし、それってなんかもったいない。

たくさん曲を知っていることは確かにすごいんだけど、それだけが音楽好きの条件ではないはず。 ひとつのアルバムやひとつの楽曲を、テープがダルダルになるくらい深く聴き込んでもいいはず。

最近はタイパやコスパ(※どっちも嫌いな言葉)ばっかりで、こういった時間をかけるやりかたは時代に逆行している気はするけれど、自分の中身を豊かにする大切な工程だと思っている。

人生において、ムダなことをしている時が一番楽しいってのは、自分の経験上、間違いない。

「AWAKE」、32年間お世話になっております。

Dream Theater AWAKE


 

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