結婚して12年経った。
結婚した理由を思い出してみると、お互い社会人になり離れた場所で新生活を始めた結果、会いに行くのがかったるくなったとかそんな感じだったはず。もう一緒に住んじゃう?同棲も結婚も同じでしょ?みたいな。
結婚式を挙げるのはいろいろ大変だったけれど、今思えばあのタイミングで結婚しといてよかった気がする。あのタイミングを逃していたら仕事が忙しくなってダラダラしてこの年齢になっていたかもしれないし、途中で別れていたかもしれない。俺は物理的な距離と精神的な距離は比例すると思っている。会えない距離が恋を育てるというのはあまり信じていない。
結婚したといっても最初の5,6年はダラダラした生活を送っていた。夕飯は近所の居酒屋ばかりだったし毎週のように遠出していた。貯金も将来も考えないその日暮らしの生活。子どもは別にいらないよね、2人でこのまま遊んで暮らして老後を迎えるのも悪くないよね、って話をよくしていた。
でもお互い年齢を重ね、仕事が安定してきて、やっぱり心変わりはするよな。娘が生まれた。それは本当にかけがえのない体験だった。
娘が生まれてから生活は一変した。外食も遠出もしなくなり生活のすべてが娘中心に変わった。自分の時間もお金も完全になくなった。でも、妻と娘との三人暮らしは毎日がドラマティックでとても大変でとても楽しいものだ。
今は娘も大きくなり以前ほど手がかからなくなったこともあって、俺は10年ぶりに音楽活動を再開したし、妻も趣味にだいぶ時間を割けるようになった。娘は相変わらず甘えっこなんだけど、それでもちゃんと育って4月からはいよいよ小学生だ。
最初はおままごとみたいだった結婚生活も今ではすっかりそれっぽくなってきたし、俺も妻も歳相応の見た目や考え方が身についたはずだ。はたしてそれを成長と呼ぶのか老けたと呼ぶのかはわからないけれど、12年の年月は確実に俺たちを育ててくれた。これまでもいろいろあったしこれからもいろいろあるだろうけど、ずっと一緒に過ごしていきたいな。
カポ買った ≫