犬ターネット

いつものお願いします

2018-04-25 日記

近所にイタリアンのお店がある。こじんまりとしていて落ち着いた雰囲気で値段も手ごろでスタッフも感じがよい。かれこれ7年くらい通っている。

ここのお店でワインを頼むとマスターがボトルを何本か持ってきて「これはタンニンがどうのこうの、こっちは柑橘系の飲み口でかすかになんたらのニュアンスがどうたら」って1本ずつ説明してくれるんだけど、俺はバカ舌だからワインを飲んでも「甘い」「酸っぱい」くらいしかわからないしタンニンとかニュアンスとか言われてもよくわかんねえ…と毎回遠い目をしながら説明を聞いており、恥ずかしさと申し訳なさを感じていた。

そんな中、そのお店でたまたま勧められたワイン、自然派って言うカテゴリーのワインなんだけど、独特な風味があって複雑というか雑味というか…、日本酒でいうとにごり酒的な、ビールでいうとIPA的な、音楽でいうとプログレ的な、前衛?異端?違うかも、でもそんな感じで、バカ舌の俺でも飲んだ瞬間「あ、これは普通のワインじゃねえ」とわかった。うまい。

とにかくその「ワインらしからぬワイン」が気に入ってしまって、お店に行く度に頼んでいたところ、ある日「今日は自然派の赤と白両方ありますよ、どちらにします?」と説明をすっとばしてくれるようになった。最近では「いつものでいいですか?」と聞かれるから、はい、いつものでお願いしますって答えるようになった。わお、これって常連ぽいじゃん。ついに俺も「いつものお願いします」が言えるようになった。ヤッホーイ!

「いつものお願いします」なんて台詞はドラマかマンガの中だけの世界だと思っていたし、仮に言えたとしてもなんか生意気いってんなこいつとか思われそうだけど、40歳を越えてようやく「いつもの」が言えるようになった。まだ少し恥ずかしさもあるけれど。あぁ、自然派ワイン飲みたくなってきた。


禁断の食べるはちみつ、Steinberg UR44、名探偵コナンの映画

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